鳩のポー太郎の死
2年前でしょうか、T1インドアテニススクールの花壇にある木に鳩が巣を作っていました。せっせせっせと小枝を運び、外からは見えないように葉っぱに隠れた幹の奥に、巣を作り、そこで卵を温め始めました。
「ポーちゃん」と呼んで、代表の末満コーチがことさら可愛がっていました。雛がかえり、そのうちにその雛たちも大きくなって、みんな巣立っていきました。
それから2年後、鳩のポーちゃんが帰ってきたのです!あの時、巣立っていった雛かもしれない。そして、また同じように巣作りを始め、同じように卵を温め、2羽の雛がかえりました。ポーちゃんの子どもだから、「ポー太郎」と呼んで、毎朝、毎夕、気にかけて、のぞいていました。元気で育っているかしらと。
そんな3月のある土曜日の朝、出勤すると、駐車場に、小さな鳩の死骸が仰向けになって落ちていたのです。「ポー太郎!!」私は動物の死骸なんて、怖くて触れないのですが、慌てて新聞紙を持ってきて、死骸を包み、ビニール袋に入れました。後で、埋葬してあげようと。
週が明けて、月曜日、フロントYさんが、その不審なビニール袋を見つけて、「何ですか?これ?」と尋ねました。私が、T1にいたポー太郎、鳩の死骸であることを説明すると、「すぐ、埋葬しましょう!」と手伝ってくれました。
インドアコートの裏手にちょうどいい場所を見つけて、穴を掘り、温かく眠れるように、藁を敷いてくれました。その上にポー太郎を寝かせて、土をかけて、お墓を作りました。聞けば、Yさんは、子どもの頃から、田舎でいろいろな死骸に出くわしては、お墓を作ってあげていたとか。とても優しく、素敵なお墓を作ってくれて、私たちは手を合わせました。
「こんなによくしてもらってポー太郎は幸せですね」とYさんが言います。私は、こんなに一生懸命ポー太郎のお墓を作ってくれるYさんや、ポー太郎のお墓に手を合わせてくれる末満コーチ、名久井コーチ、心の優しい人たちに囲まれて、幸せだなと感じました。T1の人たちはみんな優しい。それが誇りだと思います。